漢方が子どもの体質改善にも有効な理由<前編>

2016/05/03
薬日本堂,漢方,生薬

漢方薬というと、高齢者の養生や現代医学で難しい状態になってから使うイメージが以前はありました。しかし、20~40代の女性が美容と健康のために漢方薬を活用するのと同様、子どもの体質改善にも有効なのです。その理由とは? 漢方相談専門店の薬日本堂 薬剤師 齋藤友香理さんにお聞きしました。

■子どもの「腎」の気が不足すると、おねしょしやすい?

西洋医学では「遺伝的な要素」という言い方をします。しかし、漢方では「腎に蓄えている両親からもらって生まれた気」が十分かどうかも体質を左右する大切な要素と考えます。

漢方では身体のバランスを「気・血・水」の3つの基本要素でとらえます。これらが充実し、しっかりと巡っている状態は、気分もよく身体の動きもスムーズ。逆に、何かが不足したり滞ったりすると、様々な不調があらわれます。

・気(き)=生命エネルギー 新陳代謝や体温維持、免疫力なども担っています。

・血(けつ)=栄養と潤い 肉体を維持し、視力や精神活動も担っています。

・水(すい)=潤い 唾や涙などの分泌液や汗や尿など排泄物も含まれます。

気血水図

母胎にいる時もそうですが、人は生まれた瞬間から生命力があります。これは先天の気といって、両親からもらったもの。先天の気が不足している場合、未熟児で生まれたり、発育不全が生じることがあります。生まれ出た後は、食べたり飲んだり、呼吸することでエネルギーを得ます。これが後天の気です。

漢方でいう「肺・心・脾・肝・腎」という五つのはたらき=五臓のうち、腎の気が不足していると、おねしょ、成長が遅い、疲れやすいなどの症状が出やすいことがあります。腎は生命力を蓄え、生長や老化、泌尿器などと関係があるからです。

五臓図
五臓図2

■小児ぜんそくや大人のアトピー性皮膚炎は「肺」の不調

また、大人になるまでつきまとってしまうのが、肺の症状です。例えば小さい頃に小児喘息で、体力がついた中高生頃は治っていたのに、ストレスのかかる社会人になった頃に今度はアトピー性皮膚炎の悪化が起こるという連鎖です。呼吸器科と皮膚科ですから西洋医学では別の領域と考えますが、漢方では同じ肺の不調ととらえ、小さい頃からの養生が大切だと伝えています。

肺はバリアの機能を果たすと漢方では考えます。呼吸や皮膚と考えるとわかりやすいでしょうか。ここを高めることが、元気に過ごすためにも大切です。当たり前の部分が多いのですが、参考にしてください。

うがい・手洗い・汗の始末

外界にはウイルスやほこり、アレルギー物質などにあふれています。それが侵入しないようにすることが大切です。帰宅したらうがい・手洗い、洗顔し、汗をかいたらそのままにせずに、拭いたり着替えましょう。

朝の深呼吸

深く呼吸することで、自然界にあふれる気(エネルギー)を取り込めます。夏休みのラジオ体操などは理にかなっているといえます。

毎日のお通じ

漢方では肺と大腸はつながっていると考えます。便秘や下痢をしないように注意しましょう。冷たいものの摂りすぎは、胃腸を傷めますので、朝に白湯を飲ませるのもよいでしょう。

■栄養素が不足した食生活は「脾」に不調を抱える

また、最近の食生活では、カロリーは十分にとれても栄養素が不足しているような場合が多く、消化吸収を担っている脾に不調を抱えるお子さんも多いようです。

では、実際に、子どもに漢方を活用するにはどのようにしたらよいでしょうか? 後編では、どこで相談したらいいのか、子どもはどのくらいの量を飲めばいいのか、具体的な例とともにご紹介します。

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【参照】
薬日本堂